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こんにちは。12月28日(火)です。
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#212 < 番外編GT16 > グローバル・トレンド2040
// 2040年に向けてのシナリオ 2/5 - 世界的に漂流する

2040年に向けての5つシナリオ 2/5

『 グローバル・トレンド2040 』、16回目。4つの潮流、3つの動きと来まして、いよいよ最後のパートです。本レポート編集陣が描く5つのシナリオについて。2つめのシナリオです。
※メルマガ最下部 "コーヒーブレイク"ではこれまでの発行履歴リンクをつけています

5つのシナリオを展開する前に、概要ページが用意されています。
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/scenarios-for-2040

世界はますますバランスを崩し、あらゆるレベルで競争が激しくなっている。とはいえ、その軌跡が決まっているものではない、とし加えて、上記タイトルページにはシナリオを仮説立てするにあたって3つの質問と不確定要素を柱にしたと編集陣は言います。※プラス「共有された国際的な挑戦課題」、「断片化」、「不均衡」、「適応」、「広がる競争」という5つのキーワードも加味

それは以下のような内容です。

How severe are the looming global challenges?

押し迫って来る世界的な挑戦がいかにシビアなものか?

How do states and nonstate actors engage in the world, including focus and type of engagement?

各国(各行政単位)、またはそれ以外主体(企業やNGOなど)は、この世界にどのように関わってくるのか(集中の仕方、関わり方の種類はどのようものか)?

Finally, what do states prioritize for the future?

そして、各国(各行政単位)は未来に備えて、どのような優先順位付けをするのか?

3つの質問と5つのキーワードを加味しながら生まれたのが、以下の5つのシナリオ。

1.民主主義の再生
2.世界的に漂流する
3.競争的な共生
4.バラバラになる
5.悲運の連鎖

これも大雑把に2つの方向に分かれると言います。

1~3のシナリオは、米国とチャイナのライバル関係により、徐々にシビアに、でも関わり合いを持ち続けるグループ。

4~5は、より急激な変化を扱います。どちらも世界的な非連続性や、世界的なシステムに反するシナリオとグループづけ。

それでは、今回は2番「世界的に漂流する」を読んでいきましょう。

 

世界的に漂流する - A WORLD ADRIFT


※該当ページ
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/scenarios-for-2040/a-world-adrift

さて、以下のシナリオはあくまで仮説にすぎません。なるほど、そんな描き方もあるんだなぁと無色透明につかまれると健全かと思います(^^)

〇到達点(ほぼ全訳)
2040年には国際的なシステムは、方向性を失い、混乱し、不安定になる。それはチャイナ、その他影響力を持つ地域、NGOや企業などの大きな力が国際的な取り決めや機関をないがしろにして動いた結果からである。OECDなどの発展途上国は、経済の低成長、社会的分断の拡大、政治的な麻痺などに悩まされる。チャイナは西欧の苦境を活かす形で、国際的な影響力(とりわけアジアで)を得る。しかし、そのリーダーシップ力(意志)や軍事力は十分とはいえず、多くの国際的な課題は放置されることになる。課題とは気候変動や発展途上国の安定などを指す。

〇到達点までのプロセス(ポイント訳)
新型コロナウィルスが残した爪あとは大きく、世界の大半の先進的なマーケットは復活には至らなかった。ワクチンが行きわたらなかったことが大きい。2020年代後半までには国家の負債は上昇し、高齢化社会のコスト、そして気候変動は政府に大きな負担を強いる。それによって、教育、インフラ整備、科学的進歩など本来はプライオリティの高いものごとが進まなくなる。

多くの国で民衆の不満と抗議の声は高まる。が、分断化された社会ゆえ明確な要求やゴールに達することが出来ない。ソーシャルメディアによって分極化した社会は深刻である。

この期間、チャイナも他国と同じ課題を抱えることになるが、対応は他よりスムーズかもしれない。それは、社会の結束力や信用力の高さ、専制政治ゆえできる機敏さ、職・モノ・サービスを供給する(社会的)能力、そして対抗する声を制する政治的なシステムゆえである。1990~2000年代の成長は望めないにしても、2030年までには米国を超える経済大国になっているだろう。たとえば、気候変動に対応する目的とされる上海の防波壁など膨大なインフラ整備プロジェクトが引き寄せる経済効果などがある。

これらの享受をしながら、チャイナは周辺国から脅威に対応すべく集中をし続ける。新たな国際序列に目を向けるのではなく、国内強化にいそしむのである。

チャイナのマーケットから利益を受ける国もあるが、チャイナ主導の国際序列をよしとしない国もある。米国は協力国とのタイアップを進めるであろう(チャイナと北朝鮮に対する日本と韓国の国防も課題である)。

2035年までには、アジアにおけるチャイナは難攻不落の存在になる(とりわけ、台湾政府との関係がチャイナにとって成功裡に終わったとき)。

ロシアは全体としてチャイナとの方向性は同じでありつつも、徐々に関係は薄くなっていくだろう。インドはアジア圏の成長の益を受けるが、リーダーシップを発揮するような存在になるのはまだ先のことになりそうである。

 

Key Takeways 5つを軽く意訳


◎方向性を失う世界となる。国際的なルールに寄り添うことをしなくなり、国際的な協力が限定的になる。そして、テクノロジーは課題解決に役立つものではなくなる。

◎チャイナがアジア圏でますます活発に動き、軍事的な危機感をアジア圏にもたらす。一方でアジア圏の発展途上国はチャイナのニーズによって、自国若年層の職を満たすことができるかもしれない。

◎地域ごと(官民)には、インターネット上、宇宙などの技術に影響をもたらすものも出てくるが、彼らはシステム全体に影響をもたらすまでの力はもたない。

◎ルールを遵守することや水平協力が衰えてくると、ハッカー・テロリスト・犯罪組織に対しての対応力が衰えてくる。交戦中の地域、とりわけ中東やアフリカなどにおいては、武力によってそれぞれが目的を遂行する環境になるかもしれない。

◎気候変動や健康への課題など国際的な問題について、協調して歩んでいく雰囲気に欠けるシナリオとなる。それぞれの対応はちぐはぐなパッチワーク的なものにもなりうる。しかし、いくつかの地域、企業、私的機関はそれら課題に対して積極的に取り組む動きも出てくる(そして成果もあげる)だろう。

以上です。

このシナリオだけを読むと大雑把な感は否めません。しかし、これまでに見てきた4つの潮流、3つの動きを踏まえたシナリオであることにご留意ください^^

余談ながら。メルマガ最下部「編集後記」に少し触れていましたが、『はじめての構造主義』という本を読み返しました。それ以降、(他の縁もあり)戦後日本の思想家の本に少し触れています。中でも吉本隆明さんの本や解説書を眺めていまして、こんな記述がありました。

「本来、民主主義には出てくる意見を吟味し、積み重ねていくプロセスがある。近年登場したソーシャルメディアは意見をかわすことができると言いながらも、ボタンひとつで結果のみを表示するようになってしまった」と。

加えて、このコロナ禍でプロセス省略はいたるところで進行してしまったように感じます。

本レポートは同じ内容の繰り返しであったり、米国目線であったりはしますが、積み上げていくプロセスの大切さを感じます。

気がつけばこの番外編も16回目を数えることになりました。合計20回近くとなりそうですが、お読みいただけているみなさまにはたただた感謝です。

よき年末年始をお過ごしください。

 

コーヒーブレイク

目次とレポートのダウンロードリンクをこちらに載せておきます。目次は迷子にならないための道しるべです。

GT2040 は実務でも使われる資料なので、目次立てもしっかりしていますし、各章の頭に要約が載っています。しかもホームページではご丁寧に下記の並びでそれぞれの記事が用意されています。

ホームページ
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home

└ はじめに
└ 全体要約
 ・5つのキーテーマ
 ・前段と全体要約
└ Covid-19についての言及

└ 構造的な潮流
  └ 人口動態&教育
  └ 環境
  └ 経済
  └ 技術

└ 出現しつつある動き
  └ 社会面:幻滅、情報社会、分断
  └ 国 内:緊張、乱気流、移行
  └ 国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい

└ ビデオ
└ 5つのシナリオ
  └ 1.民主主義の再生
  └ 2.世界的に漂流する
  └ 3.競争的な共生
  └ 4.バラバラになる
  └ 5.悲運の連鎖

└ 地域ごとのシナリオ
  └ ラテンアメリカ
  └ 欧州
  └ ロシア&ユーラシア
  └ 中東&北アフリカ
  └ サハラ以南のアフリカ
  └ 南アジア
  └ 北の東アジア
  └ 南の東アジア
  └ オセアニア


ホームージの大枠は以上のようになっています。

なお、GT2040自体のPDFは以下よりダウンロード可能です。

https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/gt2040-media-and-downloads

Current edition
Global Trends 2040: A More Contested World

をクリックです。156ページ。


◇本メルマガのバックナンバーも併せて。

00 GT2040を読み始めたきっかけ
01 はじめに
02 導入~キーテーマ 5つ
03 ステージ構成
04 全体要約
05 新型コロナウィルス要因が未来に与えるもの
06 構造的な潮流 - 人口動態と人類の成長
07 構造的な潮流 - 環境 / 気候変動と環境悪化
08 構造的な潮流 - 経済 / Economic trends
09 構造的な潮流 - 技術 / Technology
10 構造的な潮流 - 振り返り
11 出現しつつある動き - 先にまとめ
12 出現しつつある動き - 社会面:幻滅、情報社会、分断
13 出現しつつある動き - 国 内:緊張、乱気流、移行
14 出現しつつある動き - 国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい
15 2040年に向けてのシナリオ 1/5 - 民主主義の再生

:::編集後記:::
あっという間の1年だった、というのが私の感覚です。みなさまはいかがでしたか。よき年末年始をお過ごしください。
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