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こんにちは。1月4日(火)です。
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#213 < 番外編GT17 > グローバル・トレンド2040
// 2040年に向けてのシナリオ 3/5 - 競争的な共生

2040年に向けての5つシナリオ 3/5

『 グローバル・トレンド2040 』、17回目。4つの潮流、3つの動きと来まして、最後のパートも中盤です。本レポート編集陣が描く5つのシナリオについて。3つめのシナリオです。
※メルマガ最下部 "コーヒーブレイク"ではこれまでの発行履歴リンクをつけています

5つのシナリオを展開する前に、概要ページが用意されています。
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/scenarios-for-2040

世界はますますバランスを崩し、あらゆるレベルで競争が激しくなっている。とはいえ、その軌跡が決まっているものではない、とし加えて、上記タイトルページにはシナリオを仮説立てするにあたって3つの質問と不確定要素を柱にしたと編集陣は言います。※プラス「共有された国際的な挑戦課題」、「断片化」、「不均衡」、「適応」、「広がる競争」という5つのキーワードも加味

それは以下のような内容です。

How severe are the looming global challenges?

押し迫って来る世界的な挑戦がいかにシビアなものか?

How do states and nonstate actors engage in the world, including focus and type of engagement?

各国(各行政単位)、またはそれ以外主体(企業やNGOなど)は、この世界にどのように関わってくるのか(集中の仕方、関わり方の種類はどのようものか)?

Finally, what do states prioritize for the future?

そして、各国(各行政単位)は未来に備えて、どのような優先順位付けをするのか?

3つの質問と5つのキーワードを加味しながら生まれたのが、以下の5つのシナリオ。

1.民主主義の再生
2.世界的に漂流する
3.競争的な共生
4.バラバラになる
5.悲運の連鎖

これも大雑把に2つの方向に分かれると言います。

1~3のシナリオは、米国とチャイナのライバル関係により、徐々にシビアに、でも関わり合いを持ち続けるグループ。

4~5は、より急激な変化を扱います。どちらも世界的な非連続性や、世界的なシステムに反するシナリオとグループづけ。

それでは、今回は3番「競争的な共生」を読んでいきましょう。

 

競争的な共生 - COMPETITIVE COEXISTENCE


※該当ページ
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/scenarios-for-2040/competitive-coexistence

さて、以下のシナリオはあくまで仮説にすぎません。なるほど、そんな描き方もあるんだなぁと無色透明につかまれると健全かと思います(^^)

〇到達点(ほぼ全訳)
2040年に米国とチャイナは経済成長を最重要にし、強固な貿易関係を結んでいる。しかし、経済協力は様々な競争の上に成り立っているものだと認識する必要がある。それら競争とは、政治の影響力をめぐるもの、統治モデルをめぐるもの、技術の主導権争いをめぐるものなどである。戦争のリスクは少ないシナリオになる。また国際協力と技術伸展は直近の経済活動について諸問題を解決する道筋となるが、一方で長期的には気候変動という課題は残り続ける。


〇到達点までのプロセス(ポイント訳)
新型コロナウィルス危機からのゆったりとした復興、そして米国とチャイナの貿易戦争の広がりの後、抑えつけられていた需要や経済低調に対してくすぶりつづける不満が<欧州中心の>OECD諸国で見受けられるようになる。それら不満は"マーケット(市場)主導経済"を再び駆り立てるものになる。

G7、ヨーロッパ諸国では諸規制の緩和が見られるようになる。新たなG7の経済協調には、プーチン後のロシア、ブラジル、インドなどが加わるようになるだろう。経済のリフォームの足がかりとなるのである。

※補注:ここで本文には「Meeting in Canada in 2031, the G7 endorsed plans」という単語がいきなり出てきます。カナダで2031に行われるG7会議と読めるのですが、なぜこの年なのかが正直よく分かりません。ただ、カナダの政策をみると2030年までにSDGsを主体にした政策を定めていました。これと関りがあるのかどうか不明ですが記載しておきます。

参考まで)カナダのSDGsアジェンダ
https://www.canada.ca/en/employment-social-development/programs/agenda-2030/moving-forward.html#h2.01

一方でチャイナは<欧州中心の>OECD諸国が示す経済復興プランを拒否。自国で回す経済成長や貿易プランに固持をする。米国とチャイナはそれぞれのモデル、国防、価値観に緊張感をはらみながらも2020-2030年と、自国の経済課題のコアを守り合うように貿易や制限ありの投資をし続ける。それら多くのやりとりは、国際的な企業群によって成し遂げられるだろう。

日用品の価格上昇や労働者の不足は、それぞれの国の状況に合わせて、国際的な移動が見られるようになる。しかし、多くの若者人口を抱えるアフリカはこれら国際経済の復興という波を享受することはできないだろう。

新たなエネルギーテクノロジーは進歩をするものの、劇的に将来を変えるほどのインパクトはもたないだろう。自然災害、気候変動への対処も富める国、成長している国ではそれぞれ影響が異なって来るはずである。

 

Key Takeways 4つを軽く意訳

◎米国とチャイナ、そして関係諸国は相互に承認したルールの元で競争関係(※補注:文中からすると健全な競争)となる。こらら関係の内に、社会的な断片化も和らぐのではないか。

◎経済協調は軍拡と衝突のリスクを低めてくれるだろう。

◎国防の最重要課題は米国とチャイナのバランスをいかにキープするかである。

◎直近の経済復興に集中をするあまり、長期的な気候変動の課題についておざなりになる可能性がある。気候変動は人類に厳しい選択を迫る問題であることを忘れてはならない。

以上です。

このシナリオだけを読むと大雑把な感は否めません。しかし、これまでに見てきた4つの潮流、3つの動きを踏まえたシナリオであることにご留意ください^^

この3つの目のシナリオ、書いてあることは一見穏やかなのですが、いざ迎えるとなったら緊張感あるシナリオになりそうです。各国ギリギリのバランスを保ちながら、経済復興を優先させる。しかもアフリカはその恩恵を受けることができない。経済に目が向き、気候変動がおざなりにされる...とすべて持ち越しのシナリオになりそうです。次の世代についての記述がなされていないのが気になりました。

一方で、改めてヨーロッパ中心のOECD諸国やカナダといった国の記述もでてきました。2031年にカナダでG7の新しい取り決めがあるような予測に読めましたが、どうなのでしょう(レポートの文脈がずいぶんとカットされてる印象)。

年末にたまたま政策に携わった方の本を読んでいました(古書/絶版)。こんな記述が印象的でした。

「外交の情報は公開情報から9割拾える。情報公開が進んだ社会(この本の出版は1980年で冷戦を指す)では、協力国に迷惑がかかるといけないので公開情報では7割程度になったかもしれない」※ウソをつく情報も数年ならよいが、複数年になるとたとえ国家といえどもつじつまがあわなくなるため避けられるのだそう。そういえばフランス歴史学者のエマニュエルトッドもソ連の崩壊を予見したヒントはソ連のある村が出生率をごまかしていて、それを止めたことからヒントを得たと言います。

「諸外国のペーパー(このGlobal Trendもその一種)は、9割は分析の記述になり、残りの1割でまとめや今後のヒントを出す」※本Global Trendも144ページ中、シナリオはわずかに12ページ

「外交はすべて情報をしったうえで、最後には正直が一番。一方で、国防は情報を隠すもの」※日本の国防はほぼ公開

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本レポートにつながる記述も多く勉強になりました。さて、本レポートのお届けもあと2~3回で完了です。

2022年となりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

コーヒーブレイク

目次とレポートのダウンロードリンクをこちらに載せておきます。目次は迷子にならないための道しるべです。

GT2040 は実務でも使われる資料なので、目次立てもしっかりしていますし、各章の頭に要約が載っています。しかもホームページではご丁寧に下記の並びでそれぞれの記事が用意されています。

ホームページ
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home

└ はじめに
└ 全体要約
 ・5つのキーテーマ
 ・前段と全体要約
└ Covid-19についての言及

└ 構造的な潮流
  └ 人口動態&教育
  └ 環境
  └ 経済
  └ 技術

└ 出現しつつある動き
  └ 社会面:幻滅、情報社会、分断
  └ 国 内:緊張、乱気流、移行
  └ 国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい

└ ビデオ
└ 5つのシナリオ
  └ 1.民主主義の再生
  └ 2.世界的に漂流する
  └ 3.競争的な共生
  └ 4.バラバラになる
  └ 5.悲運の連鎖

└ 地域ごとのシナリオ
  └ ラテンアメリカ
  └ 欧州
  └ ロシア&ユーラシア
  └ 中東&北アフリカ
  └ サハラ以南のアフリカ
  └ 南アジア
  └ 北の東アジア
  └ 南の東アジア
  └ オセアニア


ホームージの大枠は以上のようになっています。

なお、GT2040自体のPDFは以下よりダウンロード可能です。

https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/gt2040-media-and-downloads

Current edition
Global Trends 2040: A More Contested World

をクリックです。156ページ。


◇本メルマガのバックナンバーも併せて。

00 GT2040を読み始めたきっかけ
01 はじめに
02 導入~キーテーマ 5つ
03 ステージ構成
04 全体要約
05 新型コロナウィルス要因が未来に与えるもの
06 構造的な潮流 - 人口動態と人類の成長
07 構造的な潮流 - 環境 / 気候変動と環境悪化
08 構造的な潮流 - 経済 / Economic trends
09 構造的な潮流 - 技術 / Technology
10 構造的な潮流 - 振り返り
11 出現しつつある動き - 先にまとめ
12 出現しつつある動き - 社会面:幻滅、情報社会、分断
13 出現しつつある動き - 国 内:緊張、乱気流、移行
14 出現しつつある動き - 国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい
15 2040年に向けてのシナリオ 1/5 - 民主主義の再生
16 2040年に向けてのシナリオ 2/5 - 世界的に漂流する

:::編集後記:::
インターネットで公立図書館の在庫状況も検索できるようになりました。住んでいる地域には備えていないけど、隣の地域の図書館では備えているなども分かります。すごい時代ですよね。
+ 物語のチカラ を信じて
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