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モノガタ x L'Express
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こんにちは。12月8日(火)です。
今週のメールマガジン モノガタ レ クスプレス をお届けしています。
 
#157 < 年表の技 > 制約とクリエイティビティ
// 小説家が大切にしたもの

思わぬ再会

春先から本を手に取る時間が減っている私。ですが、最近は少しずつ本を手に取る時間が増えつつあります。

よく構成や編集がなされた本は、その道筋をたどることがなにごとにも代えがたい刺激だと思います。

活字メディアのよさですね。

さて、先週とある方とお話をしていて歴史小説の話になりました。ご自身が苦労されていたときに中国の歴史小説に救われたのだとか。

とりわけ宮城谷昌光さんの小説を話に挙げてらっしゃいました。

わたしも聞いたことがある作家さんだなと感じて、そのまま書店に足を運び、本棚にならぶ作品群を眺めて、思わず「ハッ」となりました。

宮城谷昌光さんはお世話になった出版会社の社長さんからおすすめされていた作家さんだったのです。この経営者の方は数年前に12月に急逝され、また12月に宮城谷さんと出会うのはなにかのタイミング。

そう感じ、おすすめされた宮城谷さんの作品『孟嘗君(もうしょうくん)』を手にしたのでした。

 

歴史の流れ

中国の歴史小説といえば、わたしは北方謙三さんの『三国志』を手にしたぐらい。あとはたまに手に取りつつもなかなか読み通せない難しさを感じていました。

ところが、この宮城谷さんの小説は別でした。展開は驚くほどドラマチックながら(新聞紙掲載の連載だからもあったかもしれません)、それらは常に人の心情に焦点が定まっているので物語りにグイグイと引き込まれます。

いわゆる中国の歴史を知らずとも読めるのです。

一方で、宮城谷さんはほどよいタイミングで登場する国々の力関係や王族の系譜を挟みこんでくれたり、当時の中国の地理的な中心はどこにあったかなどを差し込んでくれます。

よって、物語りを楽しみながら、歴史を眺めることもできます。

わたしは中国の歴史に疎く、この『孟嘗君』も恥ずかしながら物語りの後半になってようやく戦国時代の話だと気が付くのでした(笑)

間違っているかもしれませんが...

『三国志』は西暦に入ってからの話。

『孟嘗君』が扱う戦国時代は紀元前の話。

さらにいうと、大人気の漫画『キングダム』はこの戦国時代がまとまるとき。

そして司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』はこのキングダムのあと、西暦の直前

なのですね。

時代区分によって、たくさんの小説が生まれている。

日本の歴史小説も同じく、時代区分を認識することは大切なようです。


そしてこの時代区分、細かく分けていくと個人の年表になります。

 

宮城谷昌光さんや井上ひさしさんも

小説を組み立てるにあたり、宮城谷昌光さんや井上ひさしさんも大切にしたもの。

それは登場人物の「年表」です。

年表といってもその幅はさまざま。

井上ひさしさんは、創作メモをまとめるものとして「年表」を大切に。

宮城谷昌光さんは、中国の歴史資料を複数並べて登場人物の系譜を年表に落とす(情報のズレを確かめる)。

いずれも物語りを膨らませるものとして年表を活用されていたことがうかがい知れます。

創造する作業はまったくのフリースタイルでななく、一定の制限があった方が輝く場合もあります。

575(77)の俳句や短歌

能楽における序破急

習い事における守破離

もしくはこのメールマガジンでもよくお届けする「三多(さんた)」
※多く読み、多く書き、多く校正する

いずれも上手に活用していきたいですね。

 

コーヒーブレイク

たぶん5~6年前だと思うのですが、西郷隆盛の本を読んでいたときのこと。

西郷隆盛はモノゴトを図るときの幅をひろげるために『春秋左氏伝』(歴史書の注釈書)を読んでいたと知りました。

これは面白そうだと私も『春秋左氏伝』を手に取ったのですが、全く歯が立ちませんでした(笑)

中国の歴史の事実のみがそっけなく漢文で記されているのみだったのです。まさに年表のようなイメージ。

歴史小説家の方々は、こらら資料の行間を見つけ、さらに資料を集め、物語りを膨らませているのだと思います。

その原動力は、好奇心なのでしょうか。

再び面白い物語り(宮城谷昌光さんという作家)と出会えて有難いです。


:::編集後記:::
先の週末に開催されたF1のレース。話題がてんこ盛りでそれをメールマガジンにしようと思ったのですが、あまりに話題が多すぎてまとめることが出来ませんでした。

ただ、ひとつ挙げられる話題としてはコレ。

おそらく来年、F1サーカスに日本人ドライバーが戻ってきそうです。この数週間のうちに吉報あることを願っています。
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