Copy
モノガタ x L'Express
ブラウザで読む
こんにちは。12月1日(火)です。
今週のメールマガジン モノガタ レ クスプレス をお届けしています。
 
#156 < "人"をひととして見る > 事業家トニー・シェイ
// 顧客と社員の幸せと向き合う

飛び込んできた訃報

先日11/29、訃報が facebook上で入ってきました。

それは米国のネット靴通販で有名になったトニー・シェイの急逝という衝撃的な知らせでした。

地元ニュースの映像(ラスベガス)
https://www.youtube.com/watch?v=mx24WeihzS0

ネット靴通販の会社名は「Zappos(ザッポス)」。2010年代はじめに随分とメディアに取り上げられたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

ザッポスの名が一般に知れわたったのは、その事業がアマゾンに買収されてからだと思います。

アマゾンがザッポスに着目した理由は、業績以外にもその顧客サービスの高さにあったと言われています。

ザッポスはインターネット靴通販事業でありながら、顧客サービスに力を入れていたのです。

たとえば注文をした靴のサイズが合わなければ、返品に気軽に応じてくれる、というようなもの。いまでこそ当たり前の感がありますが、2000年のはじめからそうしたサービスを行っていたとなればスゴイことだと思います。

とりわけ電話窓口の質が高かったようなのです。

ザッポスの影響があってかどうかは分かりませんが、アマゾンの顧客サポートの対応も随分早くなりました。メール以外にもチャットでやりとりができるので、お互いのやりとりが早くなっています。

ネット通販やネットサービスの場合は、にっちもさっちもいかず困ったときに連絡を入れるわけなので、やりとりは早いだけで安心につながります。

少し話がそれますが、オンラインのサポートでいうと、動画サービス会社の「Vimeo(ヴィメオ)」はトラブル時の対応が完璧で感心しました。こちらの話をちゃんと聞いてくれる、そのうえで解決策を提示してくる。そして解決時には"(こちらの問題が解決された)よかったです、うれしいです"、などと言葉を添えてくれる。

当たり前のやりとりに見えますが、文面のやりとりですからこれが難しい。。。

しかも「Vimeo(ヴィメオ)」の担当者は、言葉遣いがとてもパーソナル(礼儀正しい個性が出ている)だったのでそれも印象的でした。


なぜ顧客サービスが素晴らしい企業は、このような「質」の高さが保てるのでしょうか。

その秘密をトニー・シェイはもっていました(公開していました)。

 

トニー・シェイが大切にしたもの

私自身、ネット通販で靴を買うなどという選択肢が浮かばないので、ザッポスのサービスうんぬんを語ることができません(また、そもそもザッポスは日本でサービスを展開していない)。

しかし、トニー・シェイの自伝/創業伝(顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説)を読むと、トニー・シェイの人間味を感じることができます。 

たとえば、彼は(カードゲーム)ポーカーの達人であったエピソードなどが本書には記述されています。

ちになみに翻訳のタイトルが『 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説 』となっていますが、オリジナルのタイトルの方がわかりやすいです。

Delivering Happiness: A Path to Profits, Passion, and Purpose

しあわせを届けること。それが利益、情熱、目的につながる道だ。

というもの。

この「 Delivering Happiness 」にトニー・シェイを感じ、そしてそれがそのままザッポスの顧客サービスにつながっているのです。

しあわせや幸福というと、言葉では表現しづらいものに感じるかもしれません。

しかし、認知科学や脳科学の観点から「しあわせ」とはなにかを考察する学問がアメリカでは進められていて、これに着目して社員と共有していたのがザッポスなのです。

日本企業でいうと星野リゾートの星野社長は、ご自身が本に頼り、そしてその本をそのまま社員と共有をして会社を強くしていたことを語っています。

それと同じことをトニー・シェイもしてきています。社屋の入り口にはトニー・シェイが気にしている本が並べられ、社員も訪問者もそれらが手に取れるようになっていたと言います。

トニー・シェイが着目する本は、適宜、トニー・シェイから公開されてきています。未翻訳のものも多いですが、いくつかは邦訳されていることを鑑みるとトニー・シェイのすごさがわかります。

トニー・シェイが、いま、なにに気を配っているのかをもう知ることができないのは残念。ですが、いまインターネット上に残っている彼がおすすめしていた本のリンクを3つつけておきます。

Tony Hsieh recommends 7 books that will blow your mind
http://favobooks.com/enterpreneurs/99-books-that-will-blow-your-mind.html

41 books recommended by Tony Hsieh
https://www.goodbooks.io/people/tony-hsieh

Tony Hsieh's Book Recommendations
https://mostrecommendedbooks.com/tony-hsieh-books

わたしも彼が勧める本を何冊か読んだことがあります。もちろん、幸福学についてです。いずれもが脳科学と近接したものが多く、本メールマガジンでも認知科学や脳科学の記述が少し出てくるのはトニー・シェイの影響も大きいです。

昨今はビジネス上で "マインドフルネス" がブームになっていますが、この流れを作ったのもトニー・シェイだと個人的には思っています。


一方で、会社の効率化を図ることできれば、スリム化をすることをいとわない。それが出来たのもトニー・シェイでした。

 

新しい組織論「ホラクラシー」

組織論で模索されている様式に「ホラクラシー」というものがあります。私自身も2012-2013年くらいに本を読み、これができたらスゴイなと感じている(感じ続けている)組織論です。

概要はこんな感じ...

・会社に憲法をつくる
・憲法にのっとり、職務を明確にしていく
・職務が明確であれば、個人の仕事の範囲も明確になる
・よって会社の組織も「〇〇部」のような単位をとらず、プロジェクト(案件)単位で「チーム」を作り、そこの個人が出入りすることで仕事を進める

というモノです。

まだ試行錯誤がなされている組織論ではありますが、卓上の空論ではないようです。

卓上の空論ではないようです...というのはザッポス自身が採用し、事業のスリム化を実現したという雑誌記事を数年前に読んだためです(具体的な達成率まで書かれていたのですが忘れました)。

※個人的にはトニー・シェイがホラクラシー導入した理由は、個人がより幸せに動けることを目指してなされた。結果(意図せず)として会社の構造変化につながってしまったのではないかと思いますが...もうそいういった情報も入ってこないでしょう。。。

個人(顧客と社員)の幸福を研究しながら、
会社の構造変化も進めるバランス感覚

そして彼は地域活性にも力を入れていました。


偉大な思想家、実践家がこの世を去ってしまったのは残念ですが、
彼が遺してくれたヒントを大切にしていきたいと思うのです。


トニー・シェイが「幸福」というものを、認知科学や脳科学にヒントをもとめたプロセスは物語りづくりに役立つ面も多いと思います。

 

コーヒーブレイク

トニー・シェイが勧めた本、翻訳をリンクに並べたいところですが、翻訳者(監訳者)、出版社が自己PR目的で翻訳をしたのではないかと思うところが多く控えたいと思います。

一方、いまこのメールマガジンを書いていて気が付いたのですが、トニー・シェイが書いた本の2冊目も翻訳がなされているようです。こちらをわたしも読んでみようと思います。

目次を見るとなんと、

│第9章│ ホラクラシーの大変革!

とありました。

ホラクラシーの導入は前向きに行われたのですね。


:::編集後記:::
急に冷え込んできましたね。体調には気を付けて動いてまいりましょう。
+ 物語のチカラ を信じて
Story innovation - ストーリー・イノベーション - は
「物語」を用い、貴社(および社内)とお客さまとの関係を維持する仕組み作りをサポート。
本サイトは、コミュニケーション・デザインを企画する
MARC LOGUE(マーク・ローグ)が運営をしています。

MARC LOGUE 代表  原田 健也
メールマガジンバックナンバーはこちら

Copyright © 2020 Story Innovation, All rights reserved.