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モノガタ x L'Express
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こんにちは。3月23日(火)です。
今週のメールマガジン モノガタ レ クスプレス をお届けしています。
 
#172 < 土俵は大切 > あのCMが形を変えて!?
// Mac & PC から Intel & Mac へ

禁断の比較広告

日本では(他社商品との)商品の 比較広告 は慎重に取り扱われます。が、アメリカでは直接他社商品との比較もあり、物語を生んでいます。

有名な例ですと炭酸飲料「コーラ」のジャンル。コカ・コーラ社とペプシ・コーラ社の比較がそれです。一般人に目隠しをしてもらって、2社のコーラのどっちが美味しいかを試してもらうなど大胆な試みも。

キャンペーンをしかけたのはペプシ社です。当然、味にも自信があって比較広告ではペプシ社の方が美味しいという評価になっていました。ペプシ社はユーモアがあって、ちょっとおまぬけなヒーロー "ペプシマン" は一世を風靡しましたよね。

そして、比較広告はパソコンの分野でも起きていました。

絶対的な販売数を誇るウィンドウズパソコン(マイクロソフト社)に対する、マック(アップル社)のチャレンジです。

 

日本ではラーメンズが出演

マックがウィンドウズにチャレンジする比較広告は2006年から2009年にかけて展開されていました。アメリカでのキャンペーン名は『 Get a Mac 』(マックを買おう)。

日本では『 Macくんとパソコンくん 』というタイトル。日本のお笑い(実力派)ユニット、ラーメンズさんが出演されていました。

この比較CMの肝は、それぞれのパーソナルコンピュータの基幹ソフトウェアであるOSを擬人化したところ(ウィンドウズOSとマックOSを、人に模した)。

当時、OSに改良を加えたばかりのMacくんが、パソコン(ウィンドウズOS)くんとの掛け合いをします。

・動きが止まりやすい(フリーズ)ウィンドウズOSを茶化す
・ウィルスにかかりやすいウィンドウズOSに風邪を引かせる
・ビジネスチックで、デザイン性が薄いウィンドウズOSの服装をスーツ姿に見立てる

など、ちょっとユーモアのある比較CMでした。

当時のラーメンズCMを貼り付けておきます

https://www.youtube.com/watch?v=qHCbaklTcKY

この比較広告は嫌味さもさほど感じず、比較対象がかみ合った(OS同士の比較)キャンペーンだったと思います。

土俵があっていたのです。

そして最近、この ウィンドウズvsマック の比較広告が復活しました!

ただし、今回は土俵があっていない...ようなのです。

 

CPU対OSの比較って!?

上述のキャンペーンは基幹ソフトウェアOS同士の比較でした。

今回復活したウィンドウズvsマックの比較広告は、

パソコンの処理速度を高めるパーツ「CPU」メーカーの巨人 "インテル社" が、アップル社の「マック」に比較を仕掛けるという構図になっています。

そう。パソコンのパーツであるCPUが、マックというパーソナルコンピュータそのものに比較をしかけているのです。

部分が全体に比較を仕掛ける構造
これって、比較はなりたつのでしょうか

今回の比較広告は、前回とは逆。
ウィンドウズの優れた点を、マックと比較していきます。

・ノートPCだけどタブレット端末としても使えるウィンドウズの使いやすさをマックと比較
(マックはノートPCはノートPC、タブレット端末はタブレット端末と分かれる)。

・ゲームの多いウィンドウズに対して、ゲームが充実していないマック

など。

一見、比較があっているようです。

が、改めて確認したいのは、この主張をしているのはウィンドウズPCのパーツでしかないCPUメーカーの インテル社だということ。

ウィンドウズのノートPCがタブレット端末として使えるのは、いろいろなパーツを組み上げたメーカーの努力であって、CPUメーカーの努力ではありません。

また、ゲームの種類が多いのもマイクロソフト社のウィンドウズOSの普及率という土俵があるからであって、必ずしもCPUメーカーの努力だけではありません。

さらにいうと、ウィンドウズPCのCPUはインテル社以外にもAMD社という選択肢もあります。PCメーカーの裁量次第で、ウィンドウズのCPUはAMD社にすることもできるのです。

また、ゲームも同じくインテル社でもAMD社でもどちらのCPUでもかまいません。

そう。今回の比較広告は、インテル社以外でも主張できることばかりなのです。


ちぐはぐなキャンペーンをインテル社はなぜはじめたのか。それにはインテル社が置かれた商品の競争環境の激変にあります。

実はインテル社のCPUはマックでも採用されていました。しかし、アップル社は自社でCPUを開発できるようになったので インテル社CPUが不採用となってしまいました。

そしてウィンドウズ側でも、第2位であったAMD社のCPUに機能面でも売り上げ面でも遅れをとりはじめたのです。

自社のブランド力に影響がではじめたので、過去に話題になった比較広告を利用して...自社の立ち位置を変えていこうというチャレンジ(おそらく)。

でも、土俵が違うのです。

見て、読んでもらえる人にどんな土俵であるかを伝えることの大切さは、物語における場面設定や世界観の重要性とつながります

このインテル社のキャンペーン、どれほど話題になるのでしょうか。楽しみです。

ちなみにキャンペーン名は『 GO PC 』です。


参考記事のリンクも貼り付けておきます

MacとPCの擬人化CMから10年!制作者がジョブズ氏の思い出を振り返る(2016年12月11日)
https://iphone-mania.jp/news-147788/

元「Macくん」がIntelのCMに登場〜M1 Macをこきおろす(2021年3月18日)
https://iphone-mania.jp/news-354694/


 

コーヒーブレイク

インテル社による今回の比較広告。ひとつだけ前例の比較広告と文脈を合せているところがあります。

それはCMの登場人物。
※あくまで、アメリカで放映されているCMのキャストです

『 Macくんとパソコンくん 』キャンペーン時に、Mac側として出演していた人物。彼が今回は裏返ってウィンドウズ側に立ち、Macを茶化しています。

登場人物をつかって流れは合わせているのですが、この気の使い方をユニークといってよいかどうか。。。

ここから見ても、ちょっと珍しいキャンペーンですね。

巨人の動き、注目です。


:::編集後記:::
この数回、メールマガジンでとりあつかった、ディズニーの元CEOボブ・アイガー。彼の動画をはじめてみました。写真のイメージとは違って、低く落ち着いたトーンの声で新鮮。

彼は同じく本メルマガで紹介しているアメリカの著名人によるオンラインセミナー「MasterClass」にも講座(経営)をもっていることにも気が付きました。こんなにも有名なひととは知らず。。。

そうそう、先週は電車の中でボブアイガーの本を読んでいるひとを見かけました。そのとき私が手に持っていたのは、ディズニーが買収した(助けを求めての買収)ピクサー社の本でした。思わず、マスク越しににやっとしてしまいました(笑)
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