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モノガタ x L'Express
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こんにちは。7月27日(火)です。
今週のメールマガジン モノガタ レ クスプレス をお届けしています。
 
#190 < 削るんです > エピソードの使い方
// 挿話できるは核ありて

生物の本をば

縁をいただきまして、春先からいわゆる「生物」に関する本を手に取っています。脳科学に関する本はよく手に取っていたのですが、生物そのものに関する本はほぼ皆無。

よって、どのような本がよいのかなぁと本屋をうろうろし始めようとした矢先に、本屋入口に平積みされていたのがこちらの本。タイトルはそのものずばり...

『 WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か 』 by ポール・ナース

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なんでもノーベル生理学・医学賞を2001年に受賞された先生だそうです。生き物、そして人間社会の不思議さ。生き物の仕組みを垣間見れる一冊になっています。語り口はやわらかいのですが、内容は難しい(汗)再読が必要です(^^) また、本書ではご自身の出生にも触れられており、テーマと関係してこれがまた感慨深い...

そして別に手に取っているもう一冊。福岡伸一先生の本です。福岡先生はメディアによく出てらっしゃるようですが、私は書店の「新書」コーナーでよくお会い(?)していました。

『 生物と無生物のあいだ 』『 世界は分けてもわからない 』はよく見かけます。どちらも読んではいないのですが、後者はキャッチーな問いかけだと思います。

さて、今回手に取っているのは『 動的平衡 』というエッセイが集まったシリーズの1巻目。生物や生き物そのものというよりは、生き物とこの世界全般という大きなくくりを語るテーマと感じています。

『 新版 動的平衡: 生命はなぜそこに宿るのか 』 by 福岡 伸一

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2冊とも難しいテーマです。当然ながら専門用語も出てきて、睡魔に襲われること多々。しかし、それでも読み進められるのはどちらの本も【 エピソード 】の豊かさゆえ。

 

エピソードとは

私自身、あまり気にしていなかったのですが改めて「エピソード」とはどのような役割を果たすのでしょうか。

角川必携国語辞典(劇作家 井上ひさしさん愛用)によると...
1)ちょっとした、おもしろい話。逸話
2)話の本すじとは関係なくはさまれた短い話。挿話


とあります。英語の episode は2番目の意味に充てられています。

オックスフォード英英辞典によると...(私の意訳。ご容赦ください)
1)ひとつの出来事、または、連続した出来事
2)連続性のある物語やプログラムの個々のパーツが分割されたもの


とあります。いずれも英語だと連続性を感じますね。


さらにオンラインの語源辞典(etymonline.com)によると、
https://www.etymonline.com/search?q=episode

"coming in besides" わきに置かれるモノ が単語のイメージとしてあり、

"epi-" は「上、間(に加わる)」のイメージ。それに続いて、

eis "into" + hodos "a way, path; a journey; a method, system" と「道筋(に入る)」動きがあるようです。


日本の日常会話では、まさしく角川必携国語辞典の意味合いで使われることが多い気がします。

そして、みなさんは物語を組み立てる時、"エピソード" はどう使われますか?

・エピソードを束ねて物語にする?
・もしくは、ひとつのエピソードを押し広げて物語にする?
・それともまさしく挿話にとどめる?

どちらの方が多いでしょうか。

 

削るんです

物語をつくるひとはサービス精神が旺盛な方が多いのではと思います。ですので、角川必携国語辞典の意味合い通り、ちょっとしたおもしろい話をたくさん詰め込みたくなりますよね(私はそうです笑)。

一方で、おもしろい話を詰め込みすぎると何の話をしているのか自分自身もわからなくなる(私はそうです笑 < 再度)。

ここに来て、改めて思い浮かべるのは【 シンプル 】という言葉です。

日常会話(とくにビジネス)では『 (難しく考えないで)シンプルに行こうよ 』という投げかけを耳にします。

このとき、話者が発した "シンプル" って、みなさんはどのように聞こえますか。

わたしは、シンプル=簡単 という構図を感じる時が多いです。時間の無駄でしょ、という観点と言えましょうか。

一方で、モノづくりの観点からすると、シンプル=簡単とは行かないように思います。

思考錯誤をして、削りに削って、もう削れない。そんなところにまで来たものがシンプルだと思うのです。

これまでに挙げてきたエピソードの種類や意味は、物語の本筋を抜いては成り立たず、当たり前ながら話者の "言いたいこと・伝えたいこと" がまずあって、それぞれの使い方が映えるのではないでしょうか。

・エピソードを束ねて物語にする
・ひとつのエピソードを押し広げて物語にする

いずれにしても、核にはシンプルさを備えている。ゆえに、エピソードが間に入っても、道に迷わず話が豊かになるのが理想的。

冒頭に挙げた福岡 伸一さんの本はエピソードが満載。その核には福岡 伸一の生物観が据えられていて、それが安心感につながるのだと思います。

安心感ゆえに読んでいて眠くなっちゃいますけどね、と言い訳も^^

 

コーヒーブレイク

はじめに挙げた一冊。『 WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か 』 。黄色の表紙が印象的。これは著者が幼少期に生き物の共通性を感じた黄色い蝶とのエピソードに由来しています(人間も昆虫も変わらない、と)。

一方で、原著のデザインは「木(生き物のつながり)」です。私自身も本を読み進める中、いちばん心を動かされたのは、生態系のツリー(木)という部分でした。ですので、(この出版社による)洋書の表紙デザインの方が好みです。

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翻訳された本は、日本語のタイトルとデザインとオリジナルのそれらとを比較するのもなかなかたのしいです。洋画の原題と邦題みたいなものですね。

いずれも関わった人たちの創意工夫が感じ取れます。



:::編集後記:::
梅雨明け、していたそうです(笑)ニュースを気にしていませんでした。

昨年に比べて本を読めるようになってきたのですが、文学系を読む余裕はまだ戻ってきていないようです。移動する時間が戻れば、読む時間も増えるのだろうけど、生活スタイルは同じようにはもどらないだろうなぁ
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