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モノガタ x L'Express
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こんにちは。11月9日(火)です。
今週のメールマガジン モノガタ レ クスプレス をお届けしています。
 
#205 < 番外編GT09 > グローバル・トレンド2040
// 構造的な潮流 - 技術 / Technology

人工知能、生物工学、新素材など

『 グローバル・トレンド2040 』、9回目。構造的な潮流、4つの柱。最後になりました。「構造的な潮流 - 技術 / Technology」について
※メルマガ最下部 "コーヒーブレイク"ではこれまでの発行履歴リンクをつけています

今回の「構造的な潮流 - 技術 / Technology 」該当ウェブページは下記の本文です
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/gt2040-structural-forces/technology

文字を読むのがシンドイよ、という方は下記リンク先のPDFをご覧いただくと図で潮流が分かるかと思います。※PDFが開きますのでご注意を
https://www.dni.gov/files/images/globalTrends/GT2040/technology-0.pdf

今回も改めて潮流がいくつあったのかを確認していきましょう。

構造的な潮流は4つ
1.人口動態と人類の成長/Demographic & Human development
2.環境 / Environment
3.経済 / Economic trends
4.技術 / Technology

でした。そしてこれら4つの潮流は、以降の「出現しつつある動き(EMERGING DYNAMICS)」に意味を与える下地となる要素でした。

この「技術」に関する章。どのような新技術が登場し、関連していくのか予測は難しいとしています。一方で、読んでいて感じるのは人工知能の発達と共存は不可避ということ。本文でも人間と人工知能が共に仕事をこなす姿が描かれている部分があります。

また、政府と企業のパートナーシップもこの発展には欠かせない... としつつも、できるだけ技術を広げたい企業と、守れるものは守りたい政府とではベクトルが根本的に異なるとも指摘しています。

 

構造的な潮流 - 技術

「レポートの基本、結論は最初に」はここでも徹底されています。各潮流の冒頭に "Key Takeways(ここだけでも持って行って)" が記されています。

下記ページの冒頭、「◎」印4つです
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/gt2040-structural-forces/technology

この章を示すがごとく、等しくまとまっています。

◎今後20年にわたり、技術発展のペースとインパクトは増していくだろう。それにともない、社会、業界、国家とそれぞれの間で新たな緊張や瓦解も発生するだろう

◎技術を発展させるにあたり重要な要素となるのは、人材の才能、知識智恵、市場(マーケット)である

◎技術を巡る競争は国家間、地政学上にも影響される。とりわけ米国とチャイナのライバル関係がそうである。しかし、同時に長期的な集中ができる資源やグローバルなアクセスを有する企業によっても技術は上昇させられるのは言うまでもない

◎派生していく技術も変化に対応するに欠かせない要素になる。発展途上国はそれら技術に目を付け活路を見出すこともあるかもしれない

と述べています。

細かい技術については述べられておらず、その他3つの潮流と合わさる要素であることが強調されている気がします(=4つの潮流が柱で、他のダイナミクスへと働きかけていく。ダイナミクスは次章以降のテーマ)。

詳述の前にある見出しもこれまでの章は明確にまとめていたものの、本技術の章はちょっとぼんやり目です。

The increasing convergence of seemingly unrelated fields and the rise of global competition to generate and lock in advantage are accelerating the emergence of cutting-edge technologies.

一見関係が見られない分野、国際競争の伸展によって生まれ、あるいは制限される伸び。それらもますます収れんされていく流れになる。そして本流の端から、新たな技術が生まれ加速してく流れになるだろう

ここは複雑系のイメージが湧きます。変化はつねに本流の端(カオスの縁)で起きている、という考え方ですね。この技術の章だけ述べられるとあいまいすぎるのですが、人口動態、環境変化、経済の流れと含めるといかに予測が難しいかが分かります。

以下の詳述で、特定の分野も述べられていますが日常生活にまでは落とし込まれていないです。もし、日常生活を描きたいという方はやはりここはSF(サイエンス・フィクション)小説の出番となるような気がします。

 

詳述、見出しを追いながら

詳述はわたしが気になった点に触れながら、見出しを追いたいと思います(見出しは頭の中を整理するヒントになるため)。

〇出現してくる技術群にみられるポイント(流れ)
※いくつかの流れが今後20年の技術展望を形づくる。新しい技術は規則的、予測的に表れないかもしれないが、すでに見えている要因や動向と歩みを共にしながら広まっていきそうだ。

・科学的な分野で収れんが進むと、イノベーションが起きる
 2040年までに、人工知能、高速通信、生物工学の分野は収れんをされていくだろう。それらには社会科学や行動科学の理解が欠かせない。総体として収れんしていく。

・統制や統合(=dominance)に向けて競争が進んでいく
 国家、地政学での技術競争が進む。政府と企業のパートナーシップも進むが、公平性、創造性、健全な競争などから得られる本来の利点は失われるかもしれない

・技術は世界へと拡散してく
 シリコンバレーやバイオテクノロジーで有名な地域とは別に、新たなローカル地域が誕生するかもしれない

・技術の陳腐化も早くなる
 技術が生き残る時間も短くなってきている。発展途上国はそれらを理解した上で、リスクをとって動くことも求められるかもしれない


〇次なるステップを促す技術群は - 主に4分野
※予測しづらい技術分野ではあるが、一部はすでに見え始めている。人工知能、生物工学、新素材、新加工技術などである

1.人工知能は主流となっていく
・業界と労働環境は変化していく
 (二つの項目を併せて)人間と人工知能の共同が、未来の多くの仕事で一般的になっていく
 Human-machine teaming と記述されています

以下3つの項目は、すべて人工知能に関したもの。
小見出しが意味を表すのでタイトルのみで。

・データは命、の世界へ(※補注:人工知能が学習をするために必要)
・セキュリティとプライバシーを再考せよ(※補注:Reimaginedという言葉を用いている)
・自治や自制に関する倫理が人工知能活用に求められる
・人工知能は、戦争分野を進歩させることになる


2.新素材、新加工技術が新しい世界を形づくる
※生活日用品から高度な軍事システム、コスト削減、機能性の拡充、供給ネットワークの変化、まったく新しいデザイン選択肢を広げる等、新素材、新加工技術の可能性は幅広い。かつ、波及効果が高い。第4次生産革命とも言われる。

・デザインの幅を広げる
 3Dプリンタなどに代表されるAM技術(Additive Manufacturing)の活用。これにより、いち早くお試し版をつくることができ、また個々人に合わせたカスタマイズ部品をつくりやすくなり、さらにはその時々に応じた分量で生産ができるようになる

・波及しやすい
 モノのインターネット( IoT )に活用出来たり、波及効果が高い

・必要に応じてデザインできる
・必要に応じて組み立てることができる

 補注:metamaterial ある言葉も出てきています。自然界にないような振舞いをする物質を意味します。


3.生物工学はイノベーションを加速せしめる
※2040年までに起こる生物工学のイノベーションは、疾病や飢餓を減らす、石油由来製品への依存を減らすなどの効果が期待できる
※今後20年で、生物工学は経済効果も期待できる。世界の経済活動の20%を占める可能性を持っている(とりわけ農業品や生産業において)。


4.つながるユニット、そして分けられる社会
※モノのインターネットIoTでつながるものが増える。2018年で100億のネットワークが生まれたとされる。2025年には640億のネットワークが生まれるだろう。リアルタイムでモニターされるネットワークである。

・社会変化を加速させる
 プライバシーや匿名性は自身の選択や国による制限いかんでいかようにも変わる。新たな犯罪も予測できるだろう。

・サイバーセキュリティに新しいパラダイムも
 つながるほどつながった部分から脆弱性が露見する可能性が高まる。一方で、地域的なサイバーセキュリティが高まるほど、グローバルなウェブとのつながりは薄くなっていくかもしれない。


◎技術革新で広く示唆されるモノゴト
以下は小見出しのみで

・問題を早く解決できるようになる

・地政学のチカラとしての技術

・社会的緊張を悪化させる

・政府と企業の関係を複雑にする

・産業と職を瓦解させうる

・統制を強めると、自由とプライバシーが脅かされる

・公平性とはなにかについての議論が進む

・地球個体としてのリスクの高まり(人工知能の擬人化、人工的なパンデミック、ナノ技術兵器、核戦争)


以上、今回も長くなりました。

「技術」は、個々人の関心に左右される分野だと思います。ただ、本レポートは技術も4つの潮流(人口動態、環境変化、経済、技術)のうちのひとつである。そう捉え続けて、技術も意味を成してくると思います。

また、日常生活では新製品・新技術のみに意識を向けがちです。ここで本レポートのごとく敢えて突き放して、人口動態とどう関係するのか、環境変化とはどうか、経済のどこを担うのかなども紐づけて考えると幅が広がるのではないでしょうか。


さて、『 グローバル・トレンド2040 』。この4つの潮流は話の下地でして、このあとは潮流を受けてどのようなダイナミクス(うねり)が生まれるのかが述べられていきます。そしてその先は2040年での5つのシナリオが控えています。

このペースで書き進めてよいのか迷うところですが、なにせ4年に一度のレポートです。いましばし(恐らく年末年始まで)お付き合いをいただければ幸いです。

また次回のメールマガジンはこの4つの潮流の振り返りをしつつ、この間わたしが読んだSF小説や未来予測の本と併せてお届けいたします。
 

コーヒーブレイク

目次とレポートのダウンロードリンクをこちらに載せておきます。目次は迷子にならないための道しるべです。

GT2040 は実務でも使われる資料なので、目次立てもしっかりしていますし、各章の頭に要約が載っています。しかもホームページではご丁寧に下記の並びでそれぞれの記事が用意されています。

ホームページ
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home

└ はじめに
└ 全体要約
 ・5つのキーテーマ
 ・前段と全体要約
└ Covid-19についての言及
└ 構造的な潮流
  └ 人口動態&教育
  └ 環境
  └ 経済
  └ 技術

└ 出現しつつある動き
  └ 社会面:幻滅、情報社会、分断
  └ 国 内:緊張、乱気流、移行
  └ 国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい

└ ビデオ
└ 5つのシナリオ
  └ 1.民主主義の再生
  └ 2.世界的に漂流する
  └ 3.競争的な共生
  └ 4.バラバラになる
  └ 5.悲運の連鎖

└ 地域ごとのシナリオ
  └ ラテンアメリカ
  └ 欧州
  └ ロシア&ユーラシア
  └ 中東&北アフリカ
  └ サハラ以南のアフリカ
  └ 南アジア
  └ 北の東アジア
  └ 南の東アジア
  └ オセアニア


ホームージの大枠は以上のようになっています。

なお、GT2040自体のPDFは以下よりダウンロード可能です。

https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/gt2040-media-and-downloads

Current edition
Global Trends 2040: A More Contested World

をクリックです。156ページ。


◇本メルマガのバックナンバーも併せて。

00 GT2040を読み始めたきっかけ
01 はじめに
02 導入~キーテーマ 5つ
03 ステージ構成
04 全体要約
05 新型コロナウィルス要因が未来に与えるもの
06 構造的な潮流 - 人口動態と人類の成長
07 構造的な潮流 - 環境 / 気候変動と環境悪化
08 構造的な潮流 - 経済


:::編集後記:::
"metamaterial" という言葉もすごいですね。 meta は超える、超えているニュアンスがありますが、material(物質・素材)を超えているとはこれいかに^^ 未来人から見たら、metamaterial も単なる material になっているのでしょうね笑
+ 物語のチカラ を信じて
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MARC LOGUE 代表  原田 健也
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