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こんにちは。12月7日(火)です。
今週のメールマガジン モノガタ レ クスプレス をお届けしています。
 
#209 < 番外編GT13 > グローバル・トレンド2040
// 出現しつつある動き - 国 内:緊張、乱気流、移行

国 内:緊張、乱気流、移行

『 グローバル・トレンド2040 』、13回目。これまでの4つの潮流が今後20年の土台を築く一方で、同じく今後20年は、主に社会、国内、国際の3つのレベルの "選択"によって導かれていく。
※メルマガ最下部 "コーヒーブレイク"ではこれまでの発行履歴リンクをつけています

個人、そして政策の選択が「社会のまとまり」「各国内のしなやかさ(柔軟性)」「国家間の作用の種類」を決定づける。

https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/emerging-dynamics

社会面:幻滅、情報社会、分断
国 内:緊張、乱気流、移行
国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい

今回は「国内」を見ていきます。大きな話のため、具体的な記述は少ないです。方向性を感じる章ですね。
 

広がるギャップ

まず「国 内:緊張、乱気流、移行」をまとめる数行を意訳再掲
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/emerging-dynamics/state-dynamics

While populations are exercising more potent public voices, governments will experience mounting pressure from economic constraints and a mix of demographic, environmental, and other challenges

国民は自らの声を届ける力を強めていく一方で、政府は経済的な制約や、人口動態・環境・その他の複合課題からのプレッシャーを経験することになるだろう。


および Key Takeways 3つを軽く意訳

◎すべての地域の政府は、経済の制約、人口動態や環境およびその他の課題からのプレッシャーを受けるようになる。一方で、民衆はより多くを欲する。そして民衆自身もぶつかり合っているゴールや優先順位付けがありながら、それらを推し進めるような力も得ていくだろう。

◎民衆が欲するものと、政府が届けられるもののミスマッチが広がっていく。そのため、社会と政府の関係も緊張感を持った状態が続く。ギャップが広がっていく可能性は、政治の弱体化、民主主義の危機、統治主体の選択肢の拡張へとつながっていくだろう。

◎危機からくる触発、奮起するリーダーシップが伴ったとすれば、民衆で広がる不満は重大な(世の中の)変革、またはいかように人々を統治するかについての移行を刺激する可能性がある。

 

詳述、見出しを追いながら

大きな話ゆえ、見出しがそのまま本文を表している記述が本章では目立ちます。ひとつ興味深いコンセプト(Adaptive approach to governance)があったので、それ以外は見出しのみの表記でご容赦ください。興味があればぜひ原典レポートを眺めてみてください^^


〇民衆が要求するものと政府の対応能力のミスマッチが拡大する
これまでの成長の感覚に対して、新たな現実は「低成長」「職の不安」「人口動態の変化」と難しい局面を迎える。今後20年に渡り、このギャップが課題となるだろう。

※補注、その他キーワードとして以下のものが上がっています。人口動態と基礎教育、気候変動と環境の劣化、経済の制約(=低成長時代)、新技術への課題(好機であり、割を食う業態もある)。


〇政治の弱体化が目立ってくる
分極化(polarization)とポピュリズム。一旦、厳しい分極化が進むと、元に戻るのが難しくなる。加えて、経済危機、そして移民問題に触発される社会構造の倫理的・宗教的な建付けはポピュリズムの伸長を促しがちである。

抗議。政府への抗議は2010年より世界的に増加してきている(政治体制を問わず)。抗議は政治が動く兆候となるが、民主的な健全性を示すものでもある。また、それらは民主主義の責任性を問いかけるものでもあるし、政治の変革にもつながるのである。

圧制、国内紛争、そして国の崩壊(も各地で起きうる)。


〇民主主義はプレッシャーにさらされ、独裁主義もまた弱体化する
民主主義、浸食。表現の自由、司法の独立性、マイノリティの保護など民主主義の特性が失われると、独裁主義へとスライドしていってしまう。

独裁主義も脆弱性と向き合う。チャイナから中東にかけてみられる独裁主義は力を保ってきた。しかし、日用品への過度の依存や、独裁者個性に頼り切ったリーダーシップなど足元に重大な脆弱性を抱える。

近年みられる個人に頼った独裁制については、1988年には23%だったものが、2016年には40%と比率が上がっている(チャイナ、アラビアを含む)。※補注。これら独裁制もテクノロジーを活用して、その力を増していると解説もついています。

しかし、歴史的に独裁制をとる政府は、資源の配置ミスによってイノベーションが起きづらくなる傾向にあり、結果苦しむことになる。


〇Adaptive approach to governance。統制への変化を行うアプローチ。多くに主体が関り、サービスの拡充へとつながる
Adaptive approach(変化を積極的に取り入れるアプローチ)は、福祉や安全などについても政府外の関係者を広く巻き込んでいく。

政府と政府外の主体の関係性は、相対的な提供能力普及度合い民衆が期待するものへの調整能力とのバランスによる。

新型コロナウィルス対策を巡って企業の慈善行為が現れたのは、このAdaptive approach(変化を積極的に取り入れるアプローチ)の事例でもある。

地方自治体も重要になる。個々の地域の問題解決のために、地方自治体の力もますます重要になっていく(独裁制をとる地域でも同じ)。


〇新たな体制への機が熟したのか?
新たな思想は危機の時に生じやすい。しかし、共産主義や経済的自由主義のようなスケールのイデオロギーやシステムが生まれるのは、極めて稀である。

一般的に広がっている不満や主要な危機は移行を促すのに必要ではあるが、十分とはいえない。不満が次の体制につながるには、圧倒的なアイデアに富むリーダーシップ、または政治的な協調そして社会のコンセンサスがとれたイデオロギーなどが必要である。複数軸が求められる。


以上です。

本章が扱うテーマは国内と大きく、記述も明確ではありませんでした。しかし、Adaptive approach(変化を積極的に取り入れるアプローチ)は興味深いです。状況を踏まえると必要なことと感じます。が、一方で、イチ市民として他の主体が政策に加わることについてどこまで寛容でいられるか、観察ができるかが問われてきそうです。
 

コーヒーブレイク

目次とレポートのダウンロードリンクをこちらに載せておきます。目次は迷子にならないための道しるべです。

GT2040 は実務でも使われる資料なので、目次立てもしっかりしていますし、各章の頭に要約が載っています。しかもホームページではご丁寧に下記の並びでそれぞれの記事が用意されています。

ホームページ
https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home

└ はじめに
└ 全体要約
 ・5つのキーテーマ
 ・前段と全体要約
└ Covid-19についての言及

└ 構造的な潮流
  └ 人口動態&教育
  └ 環境
  └ 経済
  └ 技術

└ 出現しつつある動き
  └ 社会面:幻滅、情報社会、分断
  └ 国 内:緊張、乱気流、移行
  └ 国 際:競争激化、不確実、衝突しやすい

└ ビデオ
└ 5つのシナリオ
  └ 1.民主主義の再生
  └ 2.世界的に漂流する
  └ 3.競争的な共生
  └ 4.バラバラになる
  └ 5.悲運の連鎖

└ 地域ごとのシナリオ
  └ ラテンアメリカ
  └ 欧州
  └ ロシア&ユーラシア
  └ 中東&北アフリカ
  └ サハラ以南のアフリカ
  └ 南アジア
  └ 北の東アジア
  └ 南の東アジア
  └ オセアニア


ホームージの大枠は以上のようになっています。

なお、GT2040自体のPDFは以下よりダウンロード可能です。

https://www.dni.gov/index.php/gt2040-home/gt2040-media-and-downloads

Current edition
Global Trends 2040: A More Contested World

をクリックです。156ページ。


◇本メルマガのバックナンバーも併せて。

00 GT2040を読み始めたきっかけ
01 はじめに
02 導入~キーテーマ 5つ
03 ステージ構成
04 全体要約
05 新型コロナウィルス要因が未来に与えるもの
06 構造的な潮流 - 人口動態と人類の成長
07 構造的な潮流 - 環境 / 気候変動と環境悪化
08 構造的な潮流 - 経済 / Economic trends
09 構造的な潮流 - 技術 / Technology
10 構造的な潮流 - 振り返り
11 出現しつつある動き - 先にまとめ
12 出現しつつある動き - 社会面:幻滅、情報社会、分断

:::編集後記:::
学生時代になんとなく手に取った「はじめての構造主義」という本を読み返しました。当時、分からないなりに影響を受けたような気がしていた本なのですが、読み返してみるとやっぱり影響を受けていました(^^) とくに私の語学マニア理由はこの本の影響もありそうです。
+ 物語のチカラ を信じて
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